Involvement of ZO-1 in cadhherin-based cell adhesion through its direct binding to a catenin and actin filaments.

Itoh,M., Nagafuchi,A. and Tsukita,Sh.

J.Cell Biol. 138, 181-192 (1997)


【筆頭著者紹介】

伊藤雅彦博士は、当研究室の助手の一人です。 早稲田大学の理工を卒業し、修士のころから、当時臨床研にいた我々のグループに加わりました。 ZO−1のcDNAクローニングを世界で初めて成功し、MAGUKfamilyとして現在騒がれている一群の蛋白質の解析の口火をきりました。 現在遺伝子ノックアウトの手法を取り入れて改良することに時間の大部分をさいていますが、その合間に従来のZO−1研究の新しい方向を模索したのが本研究です。


ZO−1は、そもそもタイトジャンクションの裏打ち蛋白質として同定されたが、タイトジャンクションを持たない線維芽細胞などでも、このように細胞間に濃縮する。 この濃縮は、カドヘリンの濃縮とよく一致する。

どのような分子機構でZO−1はカドヘリンと一緒に存在するのであろうか?

トランスフェクション実験と試験管内結合実験の結果、ZO−1は、タイトジャンクションを持つ上皮細胞ではオクルディンと結合することによりタイトジャンクションに局在し、タイトジャンクションを持たない細胞ではアルファカテニンと結合することにより、アドヘレンスジャンクションに局在することが分かった。