Characterization of ZO-2 as a MAGUK family member associated with tight and adherens junctions with a binding affinity to occludin and alpha catenin

Itoh,M., Morita,K. and Tsukita,Sh.　

J.Biol.Chem. 　　274,5981-5986 　 (1999)

我らが助手の伊藤雅彦先生です。　月田研現れたのは、臨床研の時。　まだまだ可愛い修士の学生でした。　その伊藤先生も、すでに３０をはるかに越え、独身であることに本人も回りも焦りを感じる年齢にさしかかってきました。　それでも研究室一のハードワーカーの地位を誰にも譲らないところは流石です。　ＺＯ−１を世界で初めてクローニングして以来コツコツとやっているうちに、ＭＡＧＵＫの研究者として、Itoh,M.の名は世界中で知らぬ人はいません。

ＺＯ−２はＺＯ−１の結合蛋白質としてＧｕｍｂｉｎｅｒにより同定され、ｃＤＮＡクローニングの結果、やはりＺＯ−１と同じようなＭＡＧＵＫに属する蛋白質であると言われていましたが、その解析は遅れていました。　そもそもＺＯ−１はタイトジャンクション特異的な蛋白質であると主張されてきたのですが、伊藤によりタイトジャンクションのない細胞ではＺＯ−１がカドヘリンに結合していることが発見されて以来、タイトジャンクションのＭＡＧＵＫの我々の知識は混乱していました。　ＺＯ−２は、発見された時に、これこそはＺＯ−１と違いタイトジャンクション特異的な蛋白質だとアメリカのグループは主張しました。　本当なのでしょうか？　この論文では、マウスのＺＯ−２を初めてクローニングし、本当の意味での特異抗体を作製し、その分布をはじめとする詳細なＺＯ−２の解析が初めてなされました。　まず、オクルディンなどとの試験管内の結合実験をいろいろ行ったのですが、結局ＺＯ−１と全く同じ性質を示す蛋白質だということが分かりました。　

では分布はどうでしょうか？　左図は、培養線維芽細胞におけるＺＯ−２の分布です。　これらの細胞はもちろんタイトジャンクションは持ちませんが、ＺＯ−２はＺＯ−１と同じように、Ｐ−カドヘリンによる接着部位に極度に濃縮していることが明らかになりました。　また、下図のようにＺＯ−２は、心筋細胞においても、Ｎ−カドヘリンが働いている介在板に濃縮していました。　このような性質はＺＯ−１と何ら変わりません。

このような解析から、ＺＯ−２というのは、ＺＯ−１とかなり似た機能を持つＭＡＧＵＫであるという結論が得られました。