Sakakibara,A., Furuse,M., Saitou,M., Ando-Akatsuka,Y., and Tsukita,Sh.
J.Cell Biol., 137, 1393-1401(1997)
【筆頭著者紹介】
榊原明君は、北大、東大を経て、我々が岡崎共同研究機構生理学研究所にいる時に、博士課程の大学院生として仲間に加わりました。 酵母から動物細胞に転向して、当初なかなかうまく研究が進みませんでしたが、京都に移ってから好調に転じ、この研究成果を挙げました。 現在、東京の神経センターでシグナル伝達の研究に打ち込んでいます。
種々の種のオクルディンの電気泳動パターンを眺めると、 10以上の細かいバンドから出来ていることが分かります。
アルカリフォスファターゼを用いた解析等により、このような複数のバンド形成は、おもに複数のセリン残基が燐酸化されることにより引き起こされることが分かりました。
さらに、燐酸化特異抗体を利用することにより、右図のような結論に至りました。 すなわち、新しく作られたオクルディンは、まず、ラテラル膜に運ばれ、そこで強く燐酸化され、タイトジャンクションに組み込まれるという結論です。
以上のことは、オクルディンの燐酸化が、タイトジャンクション形成に重要な役割を果たしていることを示唆します。